「僕は反対だ」
「俺もだ」

 シュテルとフェルゼンも反対してくれる。こういう時こそ友達だ。ブラボー!

「いや、だって、物腰とか?」
「背は低くはないけど、ムキムキって訳でもないしな」
「毛深くないし、髭も薄いし」
「みんな自分がメイド服着たくないだけだよね?」

 そう言えば、クラスメイトは目をそらして笑った。そう今回はただの警護ではない。メイドとして女装して警護に当たる、というのだ。いつもだったら我先にと、役目を奪い合う連中なのに今回ばかりは、押し付け合いになっている。

 くっそ、嫌なことを人に擦り付けようとして!