三年生になって、だんだんと忙しくなってきた。軍の仕事に関わることも増えて来たからだ。

 今日はまた難しい問題を出されて、クラスの中が静まり返る。みんなの視線が私に集まっているのが分かって痛い。

 視察旅行に行かれるマレーネ姫の護衛に誰がなるか、という議題だ。マレーネ姫はデビュタントを終えてから、積極的に公務に携わっている。
 今までの王女は、視察など行った試しがなかったから、ここへ来て警備上の問題が起ったのだ。

「ベルンだろ?」
「ベルンだな」

 当たり前のようにクラスメイトが答える。