家に戻れば、エルフェンバインお兄様とリーリエお姉様が帰ってきていた。
 エルフェンバインお兄様は今年二十四歳。王都の騎士団の副団長をしているので、なかなか会うことはできない。
 リーリエお姉様は十九歳で、今は王都のタウンハウスで社交シーズンを楽しんでいるはずだった。

 久々に家族全員で夕食を楽しみ、その後は兄弟水入らずでチェスを楽しむ。昔からお姉様はチェスが得意で、私はなかなか勝つことができなかった。

 
「ベルン、女騎馬隊の方はどうだい?」

 エルフェンお兄様が、リーリエお姉様とチェスを指しながら尋ねてくる。

「順調です。今日も訓練に行ってきました。明日はお兄様も一緒にどうですか?」
「そうだね、見に行こうか」

 お兄様は柔らかく微笑んだ。