「シュテルは友達だし、私の傷だから当たり前じゃない?」
「ベルン様の傷……」
ウォルフはそう呟くと、私のパフェの苺を乱暴に手でつまんだ。
「あ! ウォルフのは取り分けたのに!!」
「そっちのが、苺多くないか?」
「いつものことでしょ」
プンとしてウォルフの皿から奪い返せば、ウォフルは、しょうがねぇなと笑う。
「ベルン様は……士官学校を卒業したらどうするつもりだ?」
「許されているうちは軍に残りたい。だけど、ヴルカーン元帥閣下は私が女とご存じだからね。学生の内は目をつぶってくださるかもしれないけれど、どう判断されるか……微妙なところ」
「戻ってくればいいだろ? お前の女騎馬隊もここにはあるし」
「私のじゃないけど、そうだね、ダメなら戻ってくる」
「ダメじゃなかったら王都なのか?」
「うん」
「迷わないんだな」
ウォルフはため息をついた。



