愛馬のレインと共にアイスベルクに戻ってくれば、厩舎ではウォルフが馬を磨いていた。

「おかえり」
「ただいま!」

 小さな子供がオブリと一緒に顔を出す。領地の子供だ。もう馬の世話を覚えに来たようだ。

「こんにちは」

 声をかければオズオズと下がってしまう。私は無理に話しかけずに微笑めば、子供もぎこちなく笑い返す。

「ベルン様、一休みしたら町へ行くんだろ? 一緒に行こうぜ」

 ウォルフが提案してくる。ウォルフは領地のことを良く知っているので、私がいない間の説明もしてくれるのでありがたかった。

「うん」
「だったら、めかしこんで来いよな! オレの隣に並ぶんだからさ」

 尊大な言い方に笑ってしまう。

「了解! ウォルフもね」

 そう答えて、家に戻った。オブリが当然のようについてくる。