翌日は朝から胸が高鳴った。 めったに言わない僕のわがまま。 それを父上が聞き入れてくれたのだ。 『三位の少年と話がしてみたい』そう言ったのだ。思った通り彼はフェルゼンと知り合いで、ひきこもり侯爵の息子だったらしい。 なんだ、そんなこと、父は簡単に笑った。 僕にすれば簡単なんかじゃないのに。 椅子に座って彼を待つ。 「入れ」 臣下の朗々とした声が響き、重厚なドアが開かれた。