僕はそぉっとそぉっと、小さな花に触れるように優しく触った。
馬は物足りないのか、自分の鼻先を僕の手に押し付けた。僕は受け入れられたことにとても驚いて、思わず頬が緩む。
「あったかい」
「うん」
「それで、力強いね」
「うん」
「スノウって名前?」
「うん、今まではそう呼んでた」
男の子は少し寂し気にそう答えた。
「……どういう意味?」
「異国の言葉で雪って意味なんだ」
「ピッタリな名前だね。君の?」
男の子は首を横に振る。束ねた青い髪が揺れた。
「私たちで大事に育てた子。でも、王子様のものになるんだって」
ああ、この馬を手放すのが悲しいんだ、はっきりと僕にもわかった。



