それにベルンの魔法。魔法付与とでも言うのだろうか。
 あんなのは今まで知らなかった魔法だ。ベルンは当たり前のようにやっていて、騎馬隊も当然のように受け入れていたけれど、そんなものじゃない。
 例えば、同じ系統の属性ならできるのかもしれないが、魔法のかかっていないものや、他属性の魔法に干渉できるなんて聞いたことがなかった。
 僕の金属性の武器強化も一見同じように見えるが、僕の魔法は金属に働きかけているだけで、木や皮には効果がないのだ。
 本当に彼の能力は計り知れない。

 僕はベルンが好きだ。意外な一面を知れば知るほど、どんどん好きになっていく。
 多分初めて会った日から、僕はベルンに引かれていた。
 今だって馬の息遣いごと思い出せる、世界が輝きだした七歳のあの日。