「……私、シュテルには敵わないけどさ、結構強いよ。でも、心配なら約束する。手に負えなさそうになったら助けを呼ぶし、君を頼るよ」
「わかった。本当に僕を頼ってよ」
「うん、心配ありがと」

 シュテルは小さく笑って、手を差し伸べてきた。私はその手を取って立ち上がる。

「うー……、足痺れた……」
「ゴメン」

 全然謝ってる風じゃなく笑う。

 よた付けばシュテルが支えてくれる。
 腰に回された手が大きくてびっくりした。見上げないと見えない場所にある顔。分かってはいたけれど、一回り大きい。いつの間にこんなに大きくなっていたんだろう。知ってはいたけれど、解かってなかった現実に、なぜだかドキリと胸が跳ねた。

「あー、シュテルに絞られたー!!」

 私は、ドキドキする心音を悟られないように、わざと大きい声を出して荷台から外へ出た。