たしかに、我が家は侯爵家ではあるが、お父様は引きこもりなんて言われていて、私自身も乗馬以外は何をやっても三番目だ。190センチでマッチョなフェルゼンと、180センチの細マッチョなシュテルと並べば、170の私など貧弱そのものだろう。釣り合わないと思うのは当たり前だ。
 私自身もそう思ってる。だけど、だからといって、友達をやめるつもりはない。

 私はそれを無視した。
 定期的に、シュテル過激派やフェルゼン過激派に絡まれる。あとは、女の子がらみでも絡まれるから、受け流す方が楽だと慣れてしまっていた。

 面倒くさいけど仕方がない。討伐が終わるまでの我慢だ。
 どこへ行ったって、この手の人はいるものだし、そういう手合いともチームを組むのも仕事の内だからだ。
 
 私はため息をのみこんで、鉄仮面を厚くした。