臨時の大規模討伐だった。士官学生の演習参加の指示が入り、校庭がザワついた。数少ない討伐演習に、士官学生が沸き立つ。
 小規模な討伐訓練自体は、月に一度の割合で定期的に行われるのだ。討伐先は一番近い森で基本は日帰りだ。そこには、瘴気の吹き出す洞穴があるのだが、あえて封印せずにおいてある。
 訓練として定期的にそこを浄化することで、異変を事前に予知し経験も積める。定期的に浄化しているから、そもそも強いモンスターは出ないが、訓練と言いながらも実際のモンスターと闘うのだ。

 しかし、今回はいつもの定期的な討伐訓練とは違う。
 
 臨時の大規模討伐演習は、実際の討伐に軍人として参加するのだ。もちろん全員というわけにはいかない。
 三年生は全員参加だが、下級生は選ばれた者だけが参加できる。そうやって実戦の経験を積んでいく。

 先に、司令部に配置される三年生が読み上げられる。
 その後、各部隊に編成されるチームが読み上げられる。

「次、右翼! 二年生、シュテルンヒェン、フェルゼン、ベルンシュタイン」
「「「は!」」」

 返事をしてチーム分けの場所に集まる。一年生はすでに集まっていた。
 士官学校に上がってくるものは、優秀なものばかりだ。一年生とはいっても、体格も良く堂々としていた。今回選抜されたチームが既存の各部隊に加えられ、討伐場所を目指す。