向かいからフェルゼンが乱暴に私たちを引き離す。

「食事中にじゃれんなよ」

 呆れたようにため息をついた。
 まるで、保護者みたいだ。

「じゃ、後でね」

 シュテルが笑って離れる。

 何が後でだ。食事中じゃなくても匂いなんか嗅がれたくない。

「ヤダよ、もう」

 ほとほと疲れてそう答えれば、まったくこりていないようにシュテルは笑った。