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「アユカ。この前カラオケ行けなくてごめんね? 今日なら行けるけど」


放課後、あたしはアユカが席を立つよりも先に声をかけた。


教室の中では話せないことでも、2人になれば話してくれるかもしれないと思ったのだ。


しかしアユカはあたしから視線を反らせて「あぁ~……今日はあたしに用事があるの。ごめんね?」と、煮え切らない返事をした。


「そっか。それなら仕方ないね……」


そう言うと、アユカは『ばいばい』も言わずに早足で教室から出て行ってしまった。


アユカのチャームポイントであるポニーテールが少し崩れているけれど、それにも気がついていない様子だ。


あたしは自分の鞄を肩にかけ、アユカの後を追いかけたのだった。