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放課後になるのを待って、あたしはもう1度美術室を訪れた。


教室の中は相変わらず黒いモヤで包み込まれていて、生徒たちの胸をしっかりと確認してみるとみんな一様にグレーに染まっていた。


グレーに染まっていないのは男子生徒たちのみだ。


その光景にあたしは大きなため息を吐きだした。


真っ黒な汚れとなっていないから見過ごしていたけれど、あたしの生活範囲でこんなにも汚れが増えているなんて思ってもいないことだった。


平山先生を見たときに判断できなかったことも、今回の反省点だ。


あたしはまだまだ未熟者だと思い知らされた気分だった。


「このままじゃ被害者は増え続けるかもしれない。早く、なんとかしなきゃ」


今はまだ美術部内にとどまっているが、これほど女好きな平山先生がここでとどまっているとは思えなかった。


見境なく生徒たちに手を出し始める日も近いかもしれない。


そう考え、あたしは弾かれるようにして美術室を後にしたのだった。