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一気に昇降口までやってきて、あたしはようやく足を止めた。


「一体どうしたの陽菜？　今日の目的を何も果たせてないじゃん」


強引にここまで連れてこられたアユカはふくれっ面をしてあたしを睨んでいる。


あたしは深呼吸を繰り返して、どうにか吐き気を押し込めた。


「あの先生は危ない。近づいちゃダメ」


「なに言ってるの？　陽菜も見たでしょう？　あのイケメンっぷり！　すっごく爽やかでいいって、女子たちみんな言ってるよ？」


「誰がなんて言ってもアユカは近づいちゃダメ！！」


思わず声が大きくなってしまった。


アユカは驚いたようにあたしを見つめる。


それから真剣な表情になって「まさか、先生の魂が見えたの？」と、探るように聞いてきた。


あたしはゆっくりと頷く。


「汚れてたんだね？」


その質問にも頷いた。