「ぅ、いたっ……」
相当つよかったんだろう、色はさっきよりもずっと毒々しくなっている。
なるべく触れないようにはしてくれている。
それでも、あまりにも痛くて……つい。
ちょっとだけ涙をこぼしてしまった。
「ご、ごめんなさい」
「謝ることねーだろ、別に」
わたしよりさきに、彼の指先がそれをぬぐい取ってくれた。
びっくりしたけど、たぶんむこうは無意識だった。
だって気にもとめず手当を続けているから、反射的にしちゃったんだと思う。
……やっぱり優しいんだよなぁ、この人。
「うーん、出てこないわね……もっと範囲を広げて、……いや、深く掘り下げたほうがいいのかしら?なにか少しでも引っかかってくれれば、」
ユキノさんの行き詰まったような声が聞こえる。
眉間にしわを寄せるその姿は、どこか廉士さんと似ているような気もした。
そのときだった。
ずっと泣きながらパソコンをにらみつけていたユキノさんの表情が変わった。



