微温的ストレイシープ



「や、やだぁっ……こんなところでしたくないぃ」



路地裏でなんて、あんまりだ。


というか初めては好きな人がよかったよぉ……




ぐずぐずと半泣き状態のわたしの肌に、つうっと廉士さんの指が触れた。




「ぅ、あっ……」



出したくもないうわずった声が口からもれて。
それに、さらに悲しくなった。



隠れていた月明かりが、すこしずつ顔を出してくる。





「なんだよ……これ」

「ひっ、ん剥いといて、それはないんじゃないでしょうか!?そりゃあわたしだってもっとグラマーな……」


「お前、こんな身体してたのか」

「~っ、だからぁ!」




そのとき、白い光がわたしたちを照らした。


わたしは思わず月を見上げる。



つづいて、自分の身体を見下ろしたとき。





……わたしはその光景に目を疑う。


息をすることさえ、忘れてしまった。




「これって……」




月光に包まれたわたしの身体は。





見るも耐えないほどに、痣をこしらえていた。



つい数時間前にできたような色でも、軽く打っただけの色でもなかった。


ずっと昔からあるような、まるで肌に染み込んでいるかのような赤紫の痣が一面に。








毒々しく、咲いていたのだった。