微温的ストレイシープ



「へえ。名前は?」

「それは……わからないです」



兄たちの顔。

そしてわたしと血のつながった兄妹であること。


それだけしかわからなかったけど、意外にも廉士さんは「よかったじゃん」と言ってくれた。





「お前には帰る家がある。それがわかっただけでも、気が楽になったろ」



その言葉に違和感のようなものを覚えた。

まるで自分には、帰る家がないような言い方。


でもまだ出会ったばかりの身で、そこまで深い部分にはさすがに踏み込むことができなくて。



返す言葉に迷っているわたしの肩に、廉士さんの手が触れた。


うで以外の肌に直接、彼の手が触れるのははじめてだった。



その冷たさにぴくりと身体がはねて、その拍子に考えていたことまでがどこかに飛んでいく。


薄い布でできたワンピースは、すこし肩の部分をずらせば簡単にデコルテがあらわになった。




「へ、変態!」

「はあ!?見るだけだっつの」