はいはい、と受け流していた廉士さんが、急に静かになったわたしの顔をのぞき込む。
「おい、どうした」
「っ頭が……」
「忙しいやつだな」
さっき身体に受けたものよりもずっと痛くて、まるで脳のなかを蝕まれているような感覚だった。
チカチカとする目の前。
パチン、
視界がはじけたと思った次の瞬間。
失われた記憶とともに、ある映像が頭のなかになだれ込んできた。
わたしと同じ、ミルクをたっぷり注いだ紅茶のような髪色がふたつ。
片方の人はめがねをかけていて、もう片方の人は耳にピアスをしていた。
その人たちが話しかけているのはわたし。
少女はこちらに背を向けていたけど、直感でそう思った。
だって、この人たち……
「わたしの、お兄ちゃんだ」
「お兄ちゃん?は、俺が?」
ち、違う。
違うし、なんでそんな嫌そうな顔するの。
「思いだしたんです。わたし、兄がふたりいます!」



