目の前に立ちはだかる男たちは、みんなして土人形のように無表情だった。
「れ、廉士さん。この人たち……」
きろりと無数の目が向けられた。
どきりとする。
「そいつの女を先にやれ」
誰が言ったのかはわからなかったけど、わたしのことを言っているのはたしかだった。
廉士さんが盛大な舌打ちをした。
怒りのボルテージが限界値を突破したらしい。
「ったく、どいつもこいつも……誰がこんなきたねぇキャバリア相手にするかよ!ふっざけんな!!」
「あーっ!笑ったの廉士さんだったんだ!」
しかも気にするとこ、そっち!?
すぐに、わたしのところにも男たちが寄ってきた。



