微温的ストレイシープ



そして維月さんやヤギさん、シノブさんは幹部で、この3人は昔からの腐れ縁なんだってヤギさんが嬉しそうに話してくれた。



「まあ腐れ縁っつーより、悪友ってやつ?どっちにしろ、俺たちは付き合いが長いんだ。なぁ?」


「レンレンとトーマは謎な部分も多いんだけど、仲間思いだし腕も確かだからみんな尊敬してるよ。マルバスについてはこれくらいかな。あと、なにか聞きたいことある?」

「なあ、無視すんなよ。維月!維月!い~つき~!」


「うざいなぁ。ヤギさ、妹に嫌われてんのフツーにうっとうしいからじゃない?」

「あり得る」

「まじかぁ、うっとうしいからかぁ」



目の前で繰り広げられる3人の会話に、思わずくすりとしてしまう。


仲がいいんだってことがひしひしと伝わってくるから。




この人たちが日頃どんなことをしているのかはわからない。


だけど少なくともこの瞬間、わたしの前にいる維月さんたちはそこまで悪そうな人たちには見えなかった。