「そういえばこの子、俺たち見てもなにも言わないね」
「ふつうの反応じゃあ、ねぇよな……」
誰が説明する？と3人のなかで視線がさまよう。
「シノブ」
「は？」
「は？じゃないよ。さっき負けたじゃん」
維月さんが指名されたシノブさんはむっつりとしたままこう言った。
「マルバスは不良グループ……」
ああ、やっぱり。
廉士さんを見ていたら、そんな答えはうすうす出ていた。
納得しかけたわたし。
けど、
シノブさんは自分の言い方に納得しなかったのか、首をかしげて言い直した。
「いや、俗にいう────暴走族だ」
