「びっくりした!!!開かへん思ったら泉が乗ってたんか!焦ったーー!閉じ込められたかと本気出すところやった」


ひょこりと地面から顔をだして、俺の目の前に来る杏


「地下に行ける扉やねん。床の。」


なるほどな
全然気づかなかったよ。

てゆうか、俺、その扉の上に乗ってたんだけど、持ち上がったぞ?

下から杏が開けようてしてたってことだろ?


どんな力だよ……


「え?もしかして追いかけてきたん?」

「うん。そうだよ。急にいなくなるから」

「あ、そっか。ごめん」


ほんまやな、頭で考えるよりも身体が動くねん。杏はそう笑った

泣いては…いないか


「大丈夫?1人で泣いてるんだと思ったんだけど?」


そう言うと、杏は恥ずかしそうに否定してくる。


「ちゃう!泣いてない!」

「ほんと?別に強がらなくていいのに」

「強がってない!盗み聞きしたことに罪悪感を覚えて、逃げてきた」


ハハっと笑う
でもそんな笑った顔でも、悲しそうに見えるからさ。


「大丈夫だって何回言えばわかる?」