パニックになる敦子
「敦子、昴は上にいるの?」
美奈子の問いかけに首を縦に何度も振る敦子
俺は…
勝手に身体が動いていた
意味わかんねーし、こんなこと体験したこともないし。杏を助けたくてここに来ただけだから。
何が何か…
でも、この数日で、不安な気持ちを昴さんが吹き飛ばしてくれた。
優しいお兄ちゃんみたいな人で
強くて…
ちがう
絶対大丈夫だ
2階にあがり廊下を見る
音はすごかったけど、廊下の真ん中…職員室の周りだけ、窓ガラスや物が散乱している。
「昴さん!!昴さん!!」
職員室の扉は開いたまま
ガラスの上を歩いて中を除けば、置いてあった机やパソコン、本棚
それらが倒れている
「昴さんっ!!!!」
返事をしてくれよ
こんな事、あっていいわけない!
水瀬が立っていたであろう場所から、円形に物が吹き飛んでいる。
水瀬は……何をした?
教室の端に吹き飛んだ机
どこにいるのか
「いててて……」
「!!!!!」
声がした
あの辺からだ
入り口から1番奥の窓際