その先でお互い色々なことがあり、その度に変わり、乗り越えてきたのだから私の知らない飛鳥がいて当然なのかもしれない。


美波の言葉に少しだけ救われた気がした。


「どうしたの?急に」


「ううん。それより、來たちは学校に来てる?」


「来てないみたいだよ。華月と同じ、一昨日から」


その返事には何も驚かなかった。今彼らにそれぞれと顔を突き合わせる余裕が無いだろうことは分かっている。


2つの裏切りを前にして、いつも通りでいられるはずが無かった。


美波は一昨日の前に何かがあったと勘付いている。だけど私は敢えて何も言わなかった。


美波は、飛鳥の裏切りを知らなくていい。