「此処、懐かしいよな。小学生のとき、いっつも3人で遊んでた」


私たちが訪れたのは小さな神社。


多分神主は常駐していなくて、地元をひっそりと守っているような、そのくらい小規模な神社だ。


祠の横に座って、私たちは沢山の話をした。


「あの頃は、こんな風になるなんて思いもしなかったね」


目の前の祠は私が小学生だったときよりも廃れたように思う。


褪せていく思い出。唐突に不安を感じて、私は隣に立つ紘斗の顔を見た。


大丈夫。いつも通り。紘斗は、私の隣に居てくれる。


「上田さんが、華月に会いたがってた。行ってみないか?」


懐かしい人の名前に心が温まる。その誘いに迷うことなく頷いた。