授業が終わり、放課後。


コンビニでプリンを買って美穂のお見舞いへ向かうべく、私は学校を出た。


朝から降っていた雨は止み、それでも太陽は出ずに曇天のまま。


ジメジメとした湿気を感じながら初めて通る道を携帯の地図と交互に見ながら歩いていた。


新しい家が建ち並ぶ住宅街に、クリーム色の可愛い外壁に付けられた野口の表札を見つけた。


「あら、美穂の友達?」


チャイムを押すとお母さんらしき女性が玄関から出てくる。


どこか美穂の面影があって、血の繋がりを感じた。


「今日お休みだったので、これ美穂ちゃんに渡して下さい」


「わざわざありがとうね。明日は行けると思うから」