「ハナ、來のこと宜しくな」


最後にそう残して空き教室から出て行った。


きっと、初めて呼んだ『ハナ』が彼なりの信頼。


何が彼に刺さったかは分からないけど、無事に難関突破?


当初から私に冷たい当たりだった伊織が受け入れてくれたのは計画遂行にとって大きな収穫だ。


彼が言った通り、ネックレスのチェーンは切れていた。


教室に戻って替えのチェーンに赤い石を通し、首に下げる。


今日、姫になることをメンバー全員に伝えることになっていた。それまでにネックレスが戻って来てくれて良かった。


これがあれば私は強くなれる。飛鳥が私に力を与えてくれる。


だから私は最後までやり遂げるんだ。この先何があろうとも。