「ユーリ、なんだか楽しそうですね」

「え?そうかなあ」

「はい。とっても」

ライラに指摘されて、思わず顔を引き締めた。もしかしたら、締まりのない顔をしていたのかもしれない。
理由は、ブラッドからの頼まれごとだ。
先日、さっぱりしたものが食べたくて作ったレモンの蜂蜜漬けは、ヒューバートをはじめ、調理場のみんなに大好評だった。汗をかいた後一切れ口に放り込めば、すっきりして思考もはっきりしてくる。ついでに、それから作ったドリンクも、特に女性陣に受けが良かった。

「そうかもしれない。ここに来てから、自分がこの城にいてもいいという理由を見つけたくて必死だったの。自分から手伝いを申し出たりね。でも、さっき初めて相手から頼まれごとをしたの。なんだか、改めてここにいてもいいって言われたみたいでね」

「ユーリ……」