「それから、ルイス様との面談だが、激務でなかなか時間を取れずにいる。日程が決まり次第伝える」

「はい」


連絡事項を伝え終えると、そのまま城内の案内に出た。ユーリは辺りをキョロキョロ見回し、時折質問を挟みながらついてくる。

「あれは何をしているんですか?」

広場で騎士達を見つけ、ユーリが聞いてきた。

「騎士達が剣を使った訓練をしているところだ。我々は常に体を鍛え、有事に備えている」

説明を聞きながら騎士達を見つめるユーリの目が、なぜか生き生きし出している。

女性達が、目ぼしい騎士達にあざとく色目を使うことは多々ある。この国で貴族のご令嬢の嫁ぎ先と言えば、王家及びその近しい血筋の家、王家に仕える騎士が熱望される。少しでも王家と縁続きになり、優遇されることを狙ってのことだ。

一瞬、ユーリもそうなのかという考えが頭をよぎった。が、すぐに否定する。ユーリの暮らしていた国では、そもそも騎士などおらず、私の身分を知って驚いたぐらいなのだ。ならば、今彼女が興味を抱いているのは……