どこの国でも、女性のおかげで子が産まれ、国が発展していくことはわかっている。いなくてはならない存在だ。

この国でも、女性が不利益を被らないよう、様々な施策を打ち出してきた。
お忍びで訪れた王都の市場で、生き生きと働く女性達の姿を見て、この者達は間違いなく、国を支えてくれていると実感もした。王太子として、男も女も関係なく、この国の民は必ず守り通すと誓っている。

だがしかし、それと私の女嫌いは別問題だ。王妃の座を狙う女達の浅ましさ、見苦しい姿にはほとほと辟易させられてきた。私に取り入ろうとお互いに牽制し合うぐらいならまだしも、時には陰で犯罪に当たるような足の引っ張り合いをしたり、こちらの都合にお構い無く無駄にまとわりついてきたり。そんな姿ばかりを見せつけられているうちに、女性に対して嫌悪感を抱くようになってしまった。平気なのは身内と害のない者のみ。

それなのに、とっくに適齢期を迎えている私の元には、ことあるごとにお妃候補を挙げられ、押しかけられ……
現国王に代わって忙しい中、煩わされてばかりだ。