異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

気を取り直して、ユーリに向かう。

「ユーリ、誕生日おめでとう。ここのところ夜が遅かったのは、ユーリの好きなパンを贈りたくて、ヒューバートと特訓していたのだ」

ユーリは信じられないというように、目を見開いてこちらを見つめてくる。

「ルイスがパンを手作り……」

「お父様、すごい!!」

「イアンのおじさんみたい!!」

子ども達の方が速く理解して、次々と歓声を上げた。

「ルイスが……私のために?」

「ああ、そうだ」

「毎晩、練習して?」

「そうだ」

「…………」