異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「ヒューバート?」

思わず低い声を出すも、彼は気にもしないで豪快に笑った。

「お嬢ちゃん、誕生日おめでとう!すごいだろ?坊ちゃんの手作りパンは。それからこれは、調理場のみんなからだ」

差し出されたのは、フルーツを使った焼き菓子だった。

「ルイスの手作り?」

ユーリがボソリと呟いた。

「はあ……」

何をさらっと明かしてくれるのだと、思わず彼を睨むも、もちろん気にもされない。

「じゃあな」

ヒューバートは来た時同様に、豪快に去っていった。
ライラも同時に退室したのは、こちらに気を遣ってくれたのだろう。