異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「ユーリ。私は他の女のところへなど、一度も行っていない。そこは信じて欲しい」

そうは言っても、ユーリはまだ疑わしげな目を向けてくる。

「ここ数日、私の帰りが遅かったのは、ユーリには秘密である事をしていたからなのだ」

ユーリがギュッと眉間にシワを寄せた。

「本当は明日、君の誕生日に驚かせたかったのだが……」

「誕生日……?」

この期に及んで言い淀む私だったが、〝誕生日〟と聞いて口元の力を抜いた。

「そう。ユーリの誕生日プレゼントを、夜のうちに用意しているのだ。だがら、決して他の女の元へ行っているとかではない」

「じゃあ、なんでもう一度湯あみを?」

「それは……香りで、用意している物が君にばれてしまうからだ」