異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

明日はユーリの誕生日だ。誕生日ぐらい明るく過ごして欲しいと、湯あみを済ませてベッドに入り、ユーリを抱き寄せた。まだ起きていたようで、ユーリはピクリと反応した。

「ユーリ」

耳元に唇を這わせていく。いつもなら、少しすると甘い吐息を漏らし始めるはずなのに、払い除けられてしまった。こんなこと一度もなくて唖然としていると、ユーリはすかさず私と距離を取った。

「ユーリ?」

不安に思って再び手を伸ばすも、体を起こしたユーリはそれを除けた。
何事かと、私も体を起こしてユーリの表情を確かめる。

「ユーリ……?何を泣いているのだ?」

「うっうっうっ…………ル、ルイスはもう、私のことを嫌いになっちゃったの?」

「は?」

ユーリは何を言っているのだ。そんなこと、あるはずもないのに。