異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

それから、ライラに話を聞くも、ユーリは何も語らなかったという。ただ、理由はわからないものの、どことなく落ち込んでいるようだったと話すが、一体どうしたというのだろうか。



夕飯時、子ども達が先に下がったタイミングで、ユーリに声をかけた。

「ユーリ。何か心配事でもあるのか?今日の様子をブラッドやライラに聞いたが……」

彼女の手元にを向けると、いつもは完食しているはずなのに、今日はどれも半分ほど残している。

「体調でも悪いのか?」

「……なんでもないよ」

なんでもないようには思えない。
聞き出したいけれど、ユーリの性格上、こちらからいくら尋ねても、自分から話そうという気になるまでは、本音は語らないだろう。

「何かあるのなら、いつでも話を聞くから」

「……ありがとう」

やはり、今は話す気がなさそうだ。