異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「先ほど、騎士達と剣を交わしてしたのですが、どうもいつもの精細さを欠いていたようで、怪我をさせてもいけないと思い、下がっていただきました。今はライラの元で体を休めておいでです」

私とユーリが結婚して以来、ブラッドは公の場でなくてもユーリに対して王妃に接する言動をとるようになった。ただし、ユーリ本人に対してだけは、彼女の希望もあって、人目のない限りそれまで通りに接しているが。

「何かあったのだろうか?」

「さあ。そこまではわかりません。とりあえず、今日はこのままライラに付き添わせておきます」

「ありがとう。すまないが、後でライラにも話を聞きたい」

「わかりました」

執務室に一人になって、先ほどのユーリの様子を思い浮かべた。何か心配事でもあるのだろうか?