異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「イアンがね、私のためにパンをデザインしてくれたの!!蝶々の形なのよ!!」

「ほおう」

「私が前に蝶が大好きって言ったら、考えてれたのよ。今度ね、おじさんと作ってくれるの!!」

「それは楽しみだな」

「うん。私、イアン大好き!!だって、いつだって私の好きな物をプレゼントしてくれるのよ」

「そうか。じゃあ、プリシラもお返しをしないとな」

「うん」

この贈り物がよほど嬉しかったのだろう。プリシラは目をキラキラさせながら、頭の中ではすでにイアンへのお返しを考えているようだ。

それにしても、気さくなユーリの性格もあって人々と王族の距離が近付いている。おまけに、ユーリが私の妃になった経緯も、民の総意があってからこそだ。今のこの距離感はかつてないことだが、ユーリらしくて好ましいと思っている。