「ユーリに何をプレゼントしたらよいのか、困っているんだ。もうすぐ誕生日だからな。何か特別な物を贈りたいんだが……」

「お花と首飾り!!」

「そうだな。花は良い案だな。そうさせてもらおう」

私が賛成したことで、エルクは嬉しそうに目を輝かせている。

「だがなあ、問題は首飾りの方だ。これまで、ユーリにはいくつか贈ったんだが……落ち着いた雰囲気にしたいのに、私の瞳の色では可愛らしい物になってしまうと思って、迷っているのだ」

「お父様の瞳の色……メラニーになら似合いそうだけど……」

どうやらエルクは真剣に考えてくれているようで、首を捻って小さく唸っている。その様子を眺めていた時、扉の外で見張りをしている騎士から声がかかった。

「ユーリ様がお戻りです。お通ししてよろしいでしょうか」

「エルク、今の相談事は2人だけの秘密だ。お互い良い案を考えて、また教え合おう」

小声で素早く伝えると、「うん」と嬉しそうに返事をした。おそらく、父親との秘密が嬉しかったのであろう。