「お父様。どうして僕の瞳と髪は、お父様のような色じゃないの?お父様のような水色や金色だったら、メラニーに素敵な花や首飾りを贈れるのに。黒色では、可愛くなくて……」

しょんぼりしながらも母親に気遣い、私と2人だけの時にこっそりと打ち明けた息子のエルク。
エルクは、顔立ちこそ父親である私似だが、瞳や髪の色は母親のものを受け継いでいる。私としては、それがたまらなく嬉しいのだが……

6歳にしては大人びていて、早くも女の子のことで悩んでいるようだ。

メラニーはブラッドの娘で、5歳になったばかりだ。厳つい父親には似ておらず、奥方であるライラ似の愛らしい顔立ちをしている。

確かに、幼い女の子に贈るには、黒色ではなかなか良いものが見つからなさそうだ。

「エルクはメラニーが好きなのか?」

「うん。だって、すごく可愛いんだもん」