異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「この者達の処分を言い渡す」

その一言で、場の緊張感が一気に高まる。

「リッチモンド家は爵位剥奪、セロール地方へ。レジーナは修道院へ。長老も、同じくセロール地方へ。その男は国外追放とする」

中央に座る４人は、一様にヒュッと息を飲み込んだ。レジーナに至っては、受け入れられないとでもいうように私を睨みつけてきたものの、ルイスに冷たく睨み返され、悔しそうに唇を噛み締めた。
もしかしたら、彼女にルイスの言っていることが伝わるかも……と思っていたけれど、残念ながら、レジーナには届いていないようだ。

「ルイス、セロール地方って……？」

「ああ。この国の南の端だ。農業が盛んで、いつだって人手を必要としている。そこで、働くことの尊さを学んでもらう。歳はいっているが、体を使って学べばわかることもあるだろう。レジーナは、残念だがすぐに更生するようには見えない。修道院で、大切なことに気付けると良いのだが……」

厳しい判決だが、決して罰するだけが目的ではないことに、少しだけホッとした。