異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「ケイシーは、私どもの元を訪れるたびに、明言はしませんでしたが、贈り物が危険な物であると、毎回合図を出していました。ですので、秘密裏に本人より事情を聞き、ルイス様の指示のもと、リッチモンド家の動向を探る手助けをしてもらいました」

「な、なんですって！？ケイシー、裏切ったのね。恩を仇で返すなんて」

ここがどこなのか忘れたかのように、レジーナが怒りで体をワナワナと震わせている。

「黙れ、レジーナ」

ルイスの鋭い一言に、さすがにレジーナも口をつぐんだ。
ケイシーはレジーナの剣幕に怯えてしまい、侍女長が彼女の背中を撫でている。

「やっと認めたな、レジーナ。お前はケイシーを利用して、ユーリを危険に晒そうとした。今自身が放った〝裏切った〟という言葉が全てだ。逆らえないケイシーにつけ込んで犯した罪の大きさに、自覚はあるのか？」