異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「む、娘のレジーナは、何も知りません。この子に罪はありません」

額に汗を浮かべながら、リッチモンド公爵が恐る恐る声を上げた。

「ほう。本当か、レジーナ」

「私は、本当に何も知りませんでしたわ」

「嘘偽りないな?」

「はい」

レジーナはどこまでも強気で、堂々とした態度をとっている。静かな怒りを発するルイスを前にして、ここまで堂々としていられるのはなかなかの度胸だと思う。

「侍女長」

ルイスの呼びかけで、侍女長が口を開く。

「ユーリ様が夜会に参加されて以降、レジーナ様付きの侍女が、単身登城することが複数回ございました。いずれも、レジーナ様の言いつけで、ユーリ様とお近付きになりたいという理由から、贈り物を持参しておりました」