異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「ルイス様。早速ですが、リッチモンド家について報告があります」

なんとなく和やかになりつつあったやりとりを遮るように、駆けつけた側近が口を挟んだ。

「リッチモンド家、および長老の動向を伺わせていたところ、動きがありました。
長老はすぐさま、公爵に会いに行きました。もう最後の手段だと、ユーリ様殺害の計画を両者が口にしたため、つかせていた騎士達が二人を捕らえました。以前、ユーリ様を襲った男の証言もあります。もう逃れられないでしょう」

「わかった。ただちに尋問を。ブラッドは陛下に報告を。アレックスは長老達に招集をかかてくれ。キース、ユーリを王妃にと望む民の声を提示する準備をしておけ。トレイシー2ヶ月以内に国民へユーリのお披露目をする。スケジュールの調整を。さらに、3ヶ月以内に結婚、及び披露パレードを行う。ライラ、侍女達を集めて、婚儀に必要なユーリの準備を。ドレスの手配は済んでいる。トレイシーの組むスケジュールに合わせて、仕上げるように連絡を頼んだ」

騎士や側近達に次々と指示を出すルイスに、呆気にとられてしまう。私とは違って、指示を出された人達は、生き生きとし出した。