異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

彼の視線を受け止めて、こむぎの言ったことがわかった。ルイスは信用できると。
足元に降ろしていたこむぎが、再び体を擦り付けてくる。

「そうだよ、悠里ちゃん。この人が悠里ちゃんに言う言葉に、嘘はない。
悠里ちゃん、怖がらないで。大丈夫。悠里ちゃんは必要とされているんだ」

こむぎの言葉に、少しぎこちなかったものの笑みを返す。

「もう大丈夫だね。それじゃあ、僕は行くよ」

再びオレンジ色の光に包まれたかと思ったら、次の瞬間には元に戻り、足元にいたこむぎの姿は消えていた。

「あの者が、ユーリをここへ連れてきてくれたんだな」

「うん」