「ユーリの身の安全を確実のものとして、私の元へ迎え入れるために、危険因子を潰しておく必要があった。
まさか、異世界から来た者の話を知られているとは思わなかったが……挑発しておけば、わかりやすく動き出すと踏んでのことだった。それをユーリに聞かれているとは思っていなかった。辛い思いをさせて、すまなかった」
ルイスが頭を下げるなんて、これまで見たこともなかった。彼がこの国の王太子としてではなく、一人の男性として私に話してくれているようで、少しだけ心の中が温かくなる。
「私のせいで流した涙を、拭かせてくれないか?」
少し戸惑ったものの、再びこむぎが私に体を擦り付けてくるから、まるで後押しされるようにコクリと頷いた。
ルイスは私の反応を伺いながら、ゆっくりと近付いてくる。
体が触れてしまう距離まで来ると、ルイスは私の頬に手を添えた。
まさか、異世界から来た者の話を知られているとは思わなかったが……挑発しておけば、わかりやすく動き出すと踏んでのことだった。それをユーリに聞かれているとは思っていなかった。辛い思いをさせて、すまなかった」
ルイスが頭を下げるなんて、これまで見たこともなかった。彼がこの国の王太子としてではなく、一人の男性として私に話してくれているようで、少しだけ心の中が温かくなる。
「私のせいで流した涙を、拭かせてくれないか?」
少し戸惑ったものの、再びこむぎが私に体を擦り付けてくるから、まるで後押しされるようにコクリと頷いた。
ルイスは私の反応を伺いながら、ゆっくりと近付いてくる。
体が触れてしまう距離まで来ると、ルイスは私の頬に手を添えた。



