異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

自分の命が狙われていたと聞いて、ゾクリとする。

私がここにいられるのは偶然に過ぎず、みんなが認めたっていう内容だって、私にしたら特別なことでもなんでもない。

きっと、レジーナはここにくるまでに様々な教育を施され、努力もしてきたのだろう。それなのに、ぽっと出の私に王妃の座を奪われれば、おもしろくないはず。

おまけに、私に秀でたものなんてなにもない。あるのは〝異世界から来た〟という、自分の能力とは関係のないものだけだ。
ルイスがなんと言おうと、私が身を引くのが自然のように思える。


「ユーリ。私は、ユーリが私の側にいたいと望んでくれる限り、手放すつもりはない」

私の考えを見透かしたように、力強く言われてドキリとする。