異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「悠里ちゃんが心の底から願うのなら、僕が元の世界に連れて行ってあげる。でもね……」

そこまで言うと、こむぎはルイスに目を向けた。

「本当に悠里ちゃんを苦しめているのは、彼じゃない。彼はいつだって、悠里ちゃんのことを守ってくれていたよ。
僕は、悠里ちゃんが頑張っている姿を、ここでも見てたよ」

こむぎの言葉に、はっとした。前にも言ってくれた言葉だ。
こむぎは、まるでにっこりと微笑むような目を私に向けた。

「だからね、彼の話を聞いてあげて。僕はこの人のことを信用しているよ」

「で、でも……」

「大丈夫。それでも悠里ちゃんが帰ることを望むのなら、連れていくよ」