異世界で女嫌いの王太子に溺愛されてます。

「念には念を、ですよ」

ライラに窘められるも、いまいち納得がいかない。油断をするわけじゃないけれど、プライベートも自由もないようで、なんとなく心が荒れていた。きっと、このお茶のお誘いは、そんな私の心情を察したルイスの気遣いだと思う。



出入り口の騎士に挨拶をして中庭に出ると、少し離れたところにルイスの姿があった。もうすぐ約束の時間だけど、ルイスの元には長老の一人が訪ねてきており、なにやら話をしているようだ。2人とも、まだ私には気が付いていない。


「先にお茶を用意してきます」

ライラが見える範囲ではあったものの、私から少し離れた。




「なにを言っているんだ?」


突然、ルイスの怒りのこもった声が響き渡り、びくっとして歩みを止める。