「キャー」
少し影になった、隠れるのにうってつけな場所にいた時、近くにいた女児が悲鳴を上げた。すぐさま目を向ければ、さっきまで一緒に駆け回っていた若い男の先生が、女児を捉えて首筋に刃物をあてている。
「王太子妃。あなたの身柄と交換だ」
底冷えするような低い声に、一瞬ピクリとしてしまう。
騎士達が近付いてくるのは見えているが、目の前の事態に悠長なことは言ってられず、前に進み出た。男はすぐさま少女を突き飛ばすと、私を捕らえて首筋に刃物を当てた。
騎士達の緊張感が一層高まり、足を止めたのがわかる。
その時、事態に何も気が付いていない子どもが周りを駆けていった。男がその動きに一瞬気を取られた隙に、素早く腕を捻り上げた。まさか反撃してくると思っていなかったのだろう。男が怯んだ隙に駆け出した。すぐさま、騎士達が男を捕らえた。
一瞬のできごとだった。
「お怪我はないですか」
他の騎士が、私のもとに駆けつけてくれる。
「大丈夫です」
少女の方も、他の騎士や先生に保護されているようだ。
少し影になった、隠れるのにうってつけな場所にいた時、近くにいた女児が悲鳴を上げた。すぐさま目を向ければ、さっきまで一緒に駆け回っていた若い男の先生が、女児を捉えて首筋に刃物をあてている。
「王太子妃。あなたの身柄と交換だ」
底冷えするような低い声に、一瞬ピクリとしてしまう。
騎士達が近付いてくるのは見えているが、目の前の事態に悠長なことは言ってられず、前に進み出た。男はすぐさま少女を突き飛ばすと、私を捕らえて首筋に刃物を当てた。
騎士達の緊張感が一層高まり、足を止めたのがわかる。
その時、事態に何も気が付いていない子どもが周りを駆けていった。男がその動きに一瞬気を取られた隙に、素早く腕を捻り上げた。まさか反撃してくると思っていなかったのだろう。男が怯んだ隙に駆け出した。すぐさま、騎士達が男を捕らえた。
一瞬のできごとだった。
「お怪我はないですか」
他の騎士が、私のもとに駆けつけてくれる。
「大丈夫です」
少女の方も、他の騎士や先生に保護されているようだ。



